秘密のMelo♪y⑥*イギリス編*
―――……
「……ねえあのさ」
…あれから一時間は経ったかな。
相変わらずあたしは、かっくんの肩に顎を置いていた。
「…ん?」
「安定期に入ったら日本に行こうかな」
「………………は?」
…えらい沈黙が長かったですね。
「は? 何しに?」
「いや、学校やめなきゃ」
かっくんに言ったら不思議とすごくすっきりしたの。
やめなきゃって思っても…バイオリンのことを思っても…胸がキュッてならない。
おかげでさらりと理由を告げた。
「お義父さんに頼めば?」
「何言うか分かんないからイヤ」
「じゃあ俺が行く」
「すんげー騒ぎになりそうだし大体そんな体で行っちゃダメ!」
「お前が言うかΣ」
「…………それもそうね」
また的確な突っ込みをありがとう。
なんとしてもあたしを行かせたくないようだ。
「んじゃあ電話でいいんじゃねぇの?」
「いや、さすがにそういうわけにもいかないんでは…」
「代役をたてる。…いつかの偽者とか…」
「正気ですか!?Σ」
いくらなんでも行かせたくなさすぎじゃない!?