秘密のMelo♪y⑥*イギリス編*
回復しないどころか…目を覚まさないとされていた患者が、別の患者の付き添いで自分の前にいるんだ。
さぞ先生も言葉が出ないだろう。
『はい、ではそちらに横になってくださいね。…あ、楓さんはこちらにどうぞ』
ふふ…。
今日で四ヶ月だ。
大きくなってるかなぁ? きゃは❤楽しみ!
『うん…順調ですね』
『わーこれ? これ? 大きくなってません?』
『ええ。体重も安定していますし…優秀ですよ』
わお❤
褒められちゃった。
ちらっとかっくんを見ると、えらいかっこいいポーズで座ってて、モニターを見つめてた。
…足組んで腕組んでるだけなんだけどね。
てかえらそうだね。
そしてなぜそれだけでこうも絵になるんだろう。
『つわりもだいぶ落ち着いたようですね』
『もう普通にご飯も食べられるようになってきました』
まだ苦手な分野は多いけど…徐々に。
パンとかシンプルなのならいけるんだ。
『ご主人が退院されたらご自宅に?』
『自宅…はパリですけど、ニューヨークの別荘にちょっと忘れ物達(犬)を取りに行って、日本へ用事を済ませに行って、それから一番安全なウィーンに行こうかなって思ってますけど』
『……』
「そんな予定は今聞いた」
「今思いついた❤」
だってパリの自宅はもう誰もが知ってるし、あの別荘は一時的なものだし、日本は学校とかかっくんとかで大騒ぎになるだろうし…。