秘密のMelo♪y⑥*イギリス編*
「そしたら場所を知られてないウィーンの別荘が最適かと」
この子が生まれる時に騒がしいのは嫌だ。
あたしは自分が派手に育ってるから、この子は穏やかに育てたいんだ。
『あ、あまり空旅はよろしくないんですが…』
『じゃあ船で…』
『ますますよくありませんΣ』
やっぱダメかー…。
しょうがない。日本はかっくんに任せて…ニューヨークにしばらくいようかな?
もっと落ち着いたらウィーンにでも。
『まあ…自家用機なんでしょうし、気を付ければ大丈夫かとは思いますが』
「えっ、いいの?」
思わず日本語。
今大丈夫って言ったよね!
『くれぐれも無理はなさらないでください』
『はーい❤』
何度も念を押されたけど、あたしはもう早く帰りたくて仕方がなかった。
琥珀と梨音に会いたいし…それに…むふふ❤
「あ、ねえかっくん、ママはどうするの?」
検診が終わって診察室を出るなり、ふと思い出した。
先生に頭を下げてからかっくんにそう聞くと、一瞬「なんのこと?」と言い出しそうな表情。
この人母親に散っ々心配かけておきながらここにいるの忘れるって、かなりの親不孝者だな。
「ああ…日本に帰るんじゃねぇの?」
「適当!?Σ」
ホントにもう…。
お義母さまがどんだけ心配したと思ってんのよこの子はっ。
いっぺんビシッと言ってやんなきゃだわねビシッと!