秘密のMelo♪y⑥*イギリス編*
―――……
学校に向かう車中、どこから出てきたのやら被せられた帽子とかっくんのサングラスの中でひそひそと会話を交わした。
「ちょっとは歩いたほうがいいって言うよ?」
「そりゃもう少し先のことだ」
「でももう四ヶ月だよ?」
「お前は普通より危険なんだから本当は安静にしてるべきなの」
「……ごもっともですが」
あ…どうせ日本に来たんだし、みわ先生のとこ寄って行こうかな!
小さい頃からお世話になってたし…報告したいもんね。
「…ところでみわ先生て専門なにかな」
「だから知らんというのに」
まあいいわ。オールマイティってことで片付けよう。
「お客さん方、宝院といやこのあたりが一般の入れる限界ですが…」
「え、そんなんあるの?」
「あれであそこは結構な金持ちだからな」
「あ、そう…」
だったら限界とかあるんだ…?
意味のあまりよく分かってないあたしを、お金を払ったらしいかっくんが引きずり下ろした。
「…ねえ、もうちょっと丁寧に扱えないの? わたし女の子。…てか愛する妻。てか妊婦」
「行くぞ」
「あちょっとーっ」
聞く耳持たずな彼の腕にしがみついて、「ねえこらっ」と言い続けたものの…相手にはされなかった。
…なんでだろう。悪いのどう考えてもこの人なのに、なんかあたしが子供っぽいことしてるような気になってきた。