秘密のMelo♪y⑥*イギリス編*
もみくちゃにされて、お腹を抱えてしゃがみこんだ。
人というのは本当に怖い。
こうして押し寄せられるとどうにもできなくなるんだ。
昔から何度も体験している。
かっくん~…!
心の中で助けを求めたら。
―グッ
「…!」
「あっ…」
優しい腕に包まれた。
触れられた瞬間に分かる。
「かっくん…」
「腹の子になにかあったらどうしてくれるわけ」
「え…?」
ちらりと見える蓮くん達の顔からすれば、この台詞は与えられたもの。
だけど…この人の声は本当に怒っていた。
なんてーかピリピリしてるよ、空気がさ。
「え…今なんて…」
「お腹の子…とかって…」
「大丈夫か?」
「う、うん。怖かったけど…」
「ったく…。あとで蓮二のやつぶっ飛ばしとこう」
「……ほどほどにね」
半殺し程度にね、うん。
殺っちゃだめよ殺っちゃ。