秘密のMelo♪y⑥*イギリス編*
入り混じる。
正反対の感情が、入り混じる。
触れると確かに生きていて。
だけどこんな……こんなことって…。
生きていてくれた、嬉しさと。
どうしようもない…嬉しさと。
重度の昏睡状態という、あたしからすれば得体の知れない状況。
恐怖やショックや…そんな気持ちも隠し切れなかった。
―コンコン
『失礼します』
あの医者の声だ。
最初に聞いたのがあの言葉なだけに、あの声を聞くとドキッとしてしまう。
「真裕、大丈夫か?」
父様も一緒。
なんとなく安心した。
「父様…」
「少し話をしてきた。お前も聞きなさい」
「……」
「…お前は楓くんの妻だからね」
それって…こんなにつらいことなの?
言おうとしてやめた。
理不尽なことだって分かってるから。
『彼が最初に病院に運び込まれたのは、二ヶ月ほど前…。あの事故の直後でした』
…そして。
その医者の口から、あの日からのかっくんのことが語られた。