秘密のMelo♪y⑥*イギリス編*
――楓サイド――
「え、なにそれ。それはつまり……本人も知らないうちに決めたってこと…?」
「……」
そう……だな。
相変わらず無茶苦茶だなあの人も…。
「…フッ。でもいいわ。ユウキが来るはずないじゃない。まおのこと、嫌いなんだもん」
「いや、あいつはお前のこと…」
…たぶん、好きだぞ。
「? なに?」
「…いや。あいつだって、藤峰家現当主に言われて断れねぇだろ」
「…まあ……そうよね…」
ユウキを憐れむような表情で呟く真裕。
「あーあもう。せっかくかっくんと二人で過ごせる残り数ヶ月なのにぃ」
むっと唇を尖らせてそう言う真裕は、不満そうではありながらもどこか嬉しそうだ。
あいつら会えば喧嘩ばかりだし、お互い嫌い合っているようにも見えるが……なんだかんだ楽しいんだろうな。
ユウキなんかは絶対惚れてるしな。
俺の真裕に横恋慕しやがって…その上住み込みとは正直許せないが、俺にはどうしようもない。
まああいつは冷静なやつだし、変な気を起こすこともないだろ。
きっと一生……真裕は、あいつの想いを知ることはないと思う。
ユウキはたぶん、そういう男だ。
「かっくーん?」
「あん?」
「どしたの? ユウキ来るの嫌? 父様シメようか?」
「……お前さらっと…」
こいつ最近口悪くなったな。なんでだ?