秘密のMelo♪y⑥*イギリス編*
「にゃふ❤」
「ハア……」
「やっぱり性別分かったらすぐ聞こうか…?」
「そうしてくれ…」
あとになって、「あ、そういえば」とか言い出しそうだ。
結局ドレス系だヒラヒラ系だピンク系だと揃えまくった挙句に「男の子だった❤」…とか言うパターンも大いにあるからな。
「えー、でもぉ、そう思うと男の子だともったいないい」
「もったいないってお前ね…」
「それにさ、大きくなったら一緒にMACOTOの服着たい! …あ! そういえばMACOTOってどうなるんだ…!?」
「ああ、そういえば」
MACOTOは、いわゆるシャネルやグッチなんかに並ぶような、高級有名ブランドだ。
真裕の母親…つまり藤峰真琴が一代で築き上げたブランドながらに、その実力と人気は本物だ。
その面でも藤峰家は有名だ。
「母様がいなくなってからは…デザインを停止するだけで、これまでのモデルを販売はしてたけど…でも…亡くなったし…」
一瞬影が差した表情。
まだ、なにも乗り越えてなんかいないんだ。
親を亡くす悲しみは、俺には分からない。
「デザイナーもオーナーもいないんじゃ…どうすんのかしらあそこ」
「…なんで何気に他人事な空気なんだよ」
「だって…どうすんの?」
「それはお義父さんに聞いとけ。…ほら、そろそろ降りる用意しな。お前は紅葉だけ抱いてればいいから」
荷物よりも琥珀達よりも一番軽い紅葉だけを抱かせて、俺は琥珀と梨音を抱き上げた。
「これ全部か…?」
「……結構あるね」