秘密のMelo♪y⑥*イギリス編*
考えてみれば、引っ越しのようなものだ。
荷物は結構ある。
「まあこれは…野木さん達に任せよう。このかばん達があれば大丈夫かな」
「達って?」
「お兄ちゃんよ。神崎」
「いんのか…」
つーか存在を……忘れてたかな。
「野木さーん。のーぎさーん」
「はい。お呼びでしょうかお嬢様?」
「これら運び込んどいてねー」
「かしこまりました」
さて行こうと紅葉を抱いたままどこぞへ向かおうとする真裕。
思わず引き止めた。
「いや、どこ行く気だ?」
「お買い物行かないの? まだほら…明るいじゃん」
「このまま行くのか? 大丈夫か?」
「そうねぇ……変装しましょうか」
「……」
そうじゃねんだよ。
誰がそんな心配してるか。
「じゃなくてお前の…」
「まおね、これかぶる。そんでこれも」
「どこで手に入れたΣ」
思わず突っ込んだ。
なんせ、真裕が手に持っていたのはウィッグ……いわゆるカツラだったから。