秘密のMelo♪y⑥*イギリス編*
―コンコン
「はーい?」
『お話…よろしいですか?』
「あら。先生だわ。…なんて仰ってるの?」
「話があるって…」
ぞくりと背筋に寒気が走った。
その言葉も、声も、表情も。
すべてが嫌なものに思えたから。
『この一週間とても迷ったのですが…』
ママにも分かるようにとゆっくり話す先生。
耐えきれず、ぎゅっと強く手を握りしめた。
『やはり、他にどうしようもありません』
「……」
「……」
『藤峰様とはさきほどお話して参りました』
カツカツと歩み寄ってきながらそう言った先生に、少しの恐怖を感じた。
もう近寄らないでほしい。
なにも言わないでほしい。
逃げ出しそうになる足を抑えるので必死だった。
『ご主人ですが…』
そう言ってあたしを見ると。
あたしを絶望に突き落す一言を放った。
『もう、限界を感じています―』