秘密のMelo♪y⑥*イギリス編*

元々俺は、人と話すのが好きではない。

というかむしろ嫌いだ。

苦手を通り越して嫌いだ。


今までもそうしてきたように、その女も例外ではなく無視して素通りした。


「Excuseme,please give me one」
 (ひとつくれ)

「Ok.Which is needed?」
(あいよ。どれにする?)


そうだな…。

果物好きだし、いちごあたりにしとくか。


「Strawberry」


「Ok.Thank you」
(毎度ありー)


小せぇな…。ほんとに。

手のひらサイズとはこのことだ。


受け取ったそれを手に、くるりと踵を返すと。


「ちょっとーついでに頼んでくれたっていいじゃないっ」

「亜衣、それ人にもの頼む態度じゃないぞ」

「そうよ。お願いしますってちゃんと言わなくちゃ」

「てか兄ちゃんいい男だねー」


…なんだこの四人組は。

誰かを思い出すなおい。


「あたしらー、英語出来ないのよね。頼んで?」


「英語? 俺もできねぇな」


「今喋ってただろ!Σ」


「あ? 気のせいだな」


「なにこいつ! 絶対顔だけでモテない!」


…うるせぇな。別にモテたいとは思わねぇよ。


「かっくんなにしてるのー? まだ?」


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