秘密のMelo♪y⑥*イギリス編*
―――……
―ピッ…ピッ…ピッ…
「…ね…。今日ね、りんりんがこれくれたの。こっちはかっくんにだって」
―ピッ…ピッ…ピッ…
「ねー返事してよ。…かえたんて呼んじゃうぞ」
―ピッ…ピッ…
「……」
…その日の夜。
ぴくりとも動かない彼の手を握って話しかけ続けた。
反応はない。
この一週間ずっとそうだ。
「…っ…ばかぁ…!」
嫌だ…嫌だよ。
生きてるのに…脳死ってなに?
―殺しちゃうの?
…先生は言った。
『親族も現れましたし、もう…』
…もうってなによ。
だってこの人生きてる。
胸に触れたら心臓は動いてるし、手を握ったら温かいの。
きっとそのうち目を開けるわ。
だから泣いてちゃダメなの。
「こら泣くな」って…困った顔で言われちゃうから。
それなのに…。
「……っふ…うあーんっ…!」
…それなのに……涙が止まらないよ…。