秘密のMelo♪y⑥*イギリス編*
「んん!? 行くの、行かないの、どうすんの!」
「わ…分かったから…落ち着け?」
「あ?」
「あじゃねぇよこら。…ほら」
雲行きが怪しくなってきたので、ちょうど足元に纏わりついて来ていた紅葉を、真裕の腕に抱かせてみた。
「…………どちたの紅葉たん❤お兄たん達相手にちてくれないの?❤寂ちいの?❤」
「……」
「……」
…マジでこえぇよ。子どもが産まれるのが。
「ハア……もういいや…」
「終わりでございますか? それではお部屋をご案内いたします」
「いたのかΣ」
諦めのため息を吐いたユウキに、ぬっと現れた坂本さんが言った。
ずっといたらしい。
「よちよちよち❤うーんいい子ねぇ❤」
「なにもしてないのにいい子って…」
「存在がいい子! …あんたと違って」
「今なんか言ったかよ」
「いいえなにも?」
あちこちにハートをまき散らしながら紅葉を抱きしめる真裕の姿からは、近い将来の姿が容易に想像できた。
簡単なことだ。
紅葉を人間の赤ん坊に置き換えればいい。
「……色々複雑」
言葉では言い表せないほどに…。