秘密のMelo♪y⑥*イギリス編*
――楓サイド――
「さて…と」
パチンと携帯を閉じ…声を漏らした。
―ぐるんっ
「Σ」
勢いよく振り返ると、そこにはかなりビビった表情のお義父さん。
「え……えへへ?」
「えへへじゃねぇよ。……ごほん。えへへじゃねぇ…ですよ」
「棒読みΣそして無理やりΣ」
当たり前だ。
真裕にああ言ったのは、この人相手にどうやっても帰れないのは分かっているからであって、決して納得したからではない。
「結局どういうつもりなのかちゃんと説明してもらえませんかね」
「え…えっと……だからお仕事…」
「もっと細かく詳しく納得できるように」
「は、はい。…えー…つまり、君の体ももうだいぶ良くなっただろ? そろそろ仕事を引き継ぐ準備をしてもらいたいなと…思ったんだ❤」
「……」
「あっ…!Σ あっ、ご、ごめん!Σ」
「五千歩譲ってそれはいいとしても、だからってなんでいきなり本邸に引っ張ってくるんすか…」
「だって本社こっちだし…って五千歩てΣ相当譲ったなΣ」
当たり前だ。
五千歩でも足らないくらいだ。
今の真裕はまだ…目を離すのは心配なのに。
さっきもひどく不安がっていたし…大体、あの体で目を離すのは怖すぎる。