秘密のMelo♪y⑥*イギリス編*
一日に五回はつまずくし、一回は階段から落ちそうになるし、危なっかしくて目ー離せねんだよ。
「そこかいΣ」
「当たり前でしょう。真裕一人じゃないんだから…」
「…ん…まあね…」
残念ながら…とおかしそうに笑ったお義父さん。
「笑い事じゃねえんだよ。……ごほん。笑い事じゃないんですよ。二週間以内には必ず帰りますからね。なにがあっても」
「え? あ、ありがとう! ……ってだから無理やりΣ」
まあ…いずれこうなることは分かっていたことだ。
すべてにおいて思っていたよりだいぶ早いが、早まっただけのこと。
強引さが気にくわないが、これはもうどうしようもないところ。
諦めるしかない。
「じゃあとりあえず…バイオリン買いに行こうか❤」
「……は?」
バイ…オリン?
「さあほら!」
「は? ちょっ…」
ばっと立ち上がって、俺の手を取るお義父さんの顔は、心なしか輝いている気がする。
はっきり言って、あまりに意味が分からない。
「たらら~♪」
「ちょっと…」
なに踊ってんだなんなんだどういうつもりだこの人…!?
「あ!」
「…今度はなんすか…」
「その前にー…」