秘密のMelo♪y⑥*イギリス編*
―――……
「…ん……」
翌朝。
うとうとしてしまっていたらしいあたしはふと目を覚ました。
パッと顔を上げると、そこには愛する人の顔。
同時に思いだした。
『脳死と判断するほか―…』
『明日にでも呼吸器を外します』
そしてバッと振り返り、時計を見ると、十一時前。
窓の外は明るく、朝が来たことを知らせている。
「今日……」
やだ…どうしよう。
今日になっちゃった…。
急に恐怖が押し寄せて、気分が悪くなった。
「かっくん…」
自分の手がひどく冷たくなっている。
震えだしそうな体を抑え、かっくんの肩を揺さぶった。
「ねえ…、やだかっくん!」
眠って止まっていた涙が再び流れ出した。
「かっく…」
声がつまって名前も呼べなくて。
本当に失ってしまうという恐怖に冷たい汗が流れた。
この人がいなくなってしまうタイムリミットがどんどん近づいてきてる気がして、座り込んで腕を抱きしめた。