秘密のMelo♪y⑥*イギリス編*
―――……
「じゃあ野木さん、電話するからまたここに迎えに来てね」
「かしこまりました。ではお気を付けて。……か、楓様…どうか真裕様を…」
「ああ…はい。大丈夫ですよ」
「なにそれちょっとどういう意味アンタら」
「も! 申し訳ございません…」
この間と同じ場所で車を降りたあたし達。
ピシィッと睨みつけると、野木さんは二回りくらい小さくなった。
「い…いってらっしゃいませ…」
「かっくんあのお店行こうよ」
「言っとくが服は最後だぞ。そんな大量にもいらねえし…」
「えーっ」
いいじゃないいいじゃない!
三百六十五日違う服着せるんだから。
「サイズ考えろよ」
「ちょっとずつ大きいの買うー」
「せめて男でも女でもいけるのにしとけよ。性別分かるまでは」
「ああいうののが可愛いのに…」
ショウウィンドウに飾ってある、ドレスみたいなのを指差すと、かっくんは「お袋みたいなことすんなよお前?」と、若干顔を引き攣らせながら言った。
「どういう意味?」
「……」
「……」
…この人が口を閉ざすとき。
それは、言いづらいことか照れくさいことかのどっちかと決まっている。
この場合きっと…! 照れくさいのだろう…!