秘密のMelo♪y⑥*イギリス編*
そうよ。
この人、あたしの代わりに撃たれたんだ。
あの、黒いコートを着た男の人に…。
『藤峰真裕……思い知れ…!』
突然現れたその人は言った。
わけの分からないままのあたし達に、彼は突然銃口を向けた。
『え……』
驚く暇もなかった。
―ズキューンッ…
一発目は外れたの。
あたしの頬を切って…。
だけどそれで終わるはずはなかった。
『逃げろバカ!』
立ち尽くしたままのあたしに声を荒げて言ったかっくんは、あたしのもとへ駆け寄ってきた。
だけど。
―キューンッ…
『……え……?』
目の前で……かっくんは崩れ落ちるように倒れた。
何が起きたのか分からないあたしは、ずるりと倒れ込む彼を抱きしめたの。
『か…っくん…?』
『…っ…』
そのまま一緒にしゃがみ込むと同時に。
―ズキューンズキューンッ
『きゃあ!!』
二発が続けて撃たれた。