秘密のMelo♪y⑥*イギリス編*
そのうちの一発はまた…彼に当たった。
あたしはようやく状況を理解した。
『かっくん…!?』
みるみるうちに、地面が真っ赤に染まっていく。
かっくんを抱きしめるあたしの手も濡れていくのが分かった。
『かっ…』
サッと血の気が引いて行った。
息も途切れ途切れの彼の体は冷たくなっていく気がして。
『いやだ!! かっくん…!』
がくがくと体が震えた。
恐怖。
かっくんが死んじゃうって思うと、どうしようもない恐怖があたしを襲った。
『かっくん! 死んじゃいやだ!』
そのときのあたしはもう泣きじゃくっていて、彼を撃った人のことなんか忘れていた。
だけど、その人はまだその場にいて。
泣きながらかっくんを抱きしめるあたしのほうへまた、銃を向けたんだ。
『…!』
ドキンと心臓が脈打ったけど、どうしようもない。
覚悟した。
そのときはもう、この人と一緒に死ぬって覚悟をした。
だけどその人も動揺していたのか、あたしに当たることはなく…。
―カーンッ!
なにか金属に当たったような音がした。
次の瞬間。
―ドォーンッ…!