秘密のMelo♪y⑥*イギリス編*
先生はそう締めくくり、じっとかっくんを見つめた。
『…私はN病院の医者ほど優秀ではありませんし、ここには立派な設備も整っていません。…ですが私も医者の端くれです』
「……?」
『仕事だと割り切ってしまって…お伝えしなければならないことがあります』
ああ……。
こういうの。
あたし、こういうのが大嫌いなんだ。
こういうときは大概、いい言葉なんてかけられない。
いつもいつも、誰だって。
あたしを、地獄へ突き落すんだ―…。
『重度の昏睡状態と申し上げましたが、その通り状態は思わしくありません。回復は…』
―…回復は、もう見込めないと思っていてください―
……なんでかな。
どうして神様って人は、こんなに意地悪ばかりするんだろう。
素直に…会わせてくれればいいのに。
目の前にいるこの人が、目を開けてあたしを見てさえくれれば…。
この人の瞳にあたしの姿がうつりさえすれば…。
あたしは、なにも言わずに笑えるのに―…。
「真裕―!?」