秘密のMelo♪y⑥*イギリス編*

――真裕サイド――


『バイオリンしないって…?』


驚いたような顔でそう言うリジュ。


不思議だった。

ついこの間まで、バイオリンが出来ないことがつらくて仕方なかったのに。

今はそうでもない。


やっぱり…かっくんがいるからかな?

…あ、今はかっくんだけじゃないんだっけ。

あたしと…かっくんの、赤ちゃんもいるしね。


「うん、まあとにかくそういうことだから」


「まとめたΣ今無理やりまとめあげたΣ」


『でもそっか…。じゃああの体調不良はつわりかなんかだったってこと?』


『うんそうそう。つわりってつらいんだね…。今もあるけどね…』


「あ…。電話で言ってた一人じゃないっていうのは、シュン達じゃなくそのことだったのね?」


「まあね」


シュン達もいるけど…でもやっぱり一番はお腹の子かな。


『あーなんか。色々解決した感じ…』


『なんで気が付かなかったんだろう…』


『だってそんなことになってると知らないからさ、まずそういう発想からして浮かばなかったわよ』


『まあ…それもそうね』


納得して頷き合うメイリー達が面白くって、思わずくすりと笑いをこぼした。


「だからねかっくん。お買い物は一緒に行かなくちゃ。ね?」


「…それを先に言えよ…。というか早く言えよ…」


ハア…とため息をつきながら言ったかっくん。

うふふ…お父さん意外と似合うかも❤


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