秘密のMelo♪y⑥*イギリス編*

きっぱりと言い切ったメイリーの手には袋。

ビニール袋がぶら下がっていた。


『なにそれ?』


病室に着いたので、カラカラと扉を開けながら聞いた。


『ああ、そうそう。これを渡しに来たのよ』


『ん?』


首を傾げながら、かっくんをベッドに寝かせる。

ふう…とため息をついて、疲れた様子だった。


『ほら、ここって果物不足じゃない? マヒロがいるだろうと思って』


そう言って取り出したのは、あたしの大好きな桃。

…と、緑色の…ぶどう…?


『マスカットよ。知らない?』


『ますかっと……』


白ぶどうだよね。白じゃないんだ…。


『病院食だって食べてないんでしょう? 何も食べないよりはいいって、先生も言ってたから』


『ありがとうメイリー』


満面の笑みで言って、それを受け取った。

ますかっとか…。楽しみ❤


『じゃ、邪魔者は退散するわね❤』


『うん❤』


『そこうん言うとこじゃないから!?Σ』


あら…そう?


「…そうなの?」


「そうなんじゃねぇの」


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