秘密のMelo♪y⑥*イギリス編*
半ば適当にそう答えたかっくんだったけど、上半身をベッドにもたれて、ちょいちょいと手招きをした。
「なあに?」
きょとんと首を傾げながらとたとたと歩み寄ると、点滴をしていないほうの手でぐいっと引っ張られた。
「うにゃっ」
その次の瞬間にはもう、あたしはかっくんの腕の中だった。
「どったの?」
「……ごめんな」
「……え?」
「色々聞いた。あの事故からのこと…。俺がお前を苦しめて、だいぶ泣かせた」
「……」
…シュン…だな?
なに言ったんだろもう…。
「かっくんのせいじゃないよ…謝んないでよ。あたし嬉しいんだから。生きててくれて…本当に…」
ぎゅっ…と彼の背中に手を回しながら言った。
本当に、生きててくれたことが嬉しい。
今こうして…抱きしめられることが、すごく嬉しい。
だからもう……いいのに。
つらかったことなんてもう、いいんだ。
「そうよ…そうだわ。かっくんが悪いわけないでしょ? 悪いのはアイツよアイツ! 陰険なことばっかりしてたかと思えば、なに急に突っ走っちゃってんの? バカじゃないのバッッッカじゃないの?」
「……」
「てかもう…死んでればいいのに」
「Σ」
あの爆発で…。だってアイツもただですんでるわけないよね?