秘密のMelo♪y⑥*イギリス編*
復活、天然真裕。
――楓サイド――
「おー楓。真裕はどうした?」
「検診…連れて行かれた」
蓮二達が帰ると言った次の日、シュンが一人でやってきた。
入れ代わり立ち代わりだな毎日…。
「素直に行ったか?」
ガタガタと椅子を出して腰かけながら、おかしそうにそう聞いてくる。
「まあな。ものすげぇ渋々だけど」
「はっ。だろうな。相当病院嫌いなんだろ?」
本当に相当なものだ。
だから最初承諾したときは、本当に何事かと思った。
まさか妊娠とは想像もしてないし…。
今日だって、「ハア…仕方ない…。赤ちゃんに会えるしいっか…」と自分に言い聞かせながら行ったんだ。
「しかしまあ、あんなんでも母親になれるんだな…」
「本当になれるんだろうか」
「おめェが言っちゃおしまいだろうが」
俺だから言うんだろうが。
あれだけ甘えてくる真裕が、子供に甘えられるんだぞ?
俺としては想像もできん。
「まあそれ以前に俺ァ、お前さんが手ェだしたってーのがどうも…」
「だからうるせぇんだよお前ら、そればっかり」
俺だって信じられねー。
あのときはどんだけ後悔したか。
…まああいつがけろっとしててくれたからよかったけど…。
あんときばかりは本当に、あの性格に感謝したな。