秘密のMelo♪y⑥*イギリス編*
――シュンサイド――
―カラカラカラ…
楓の部屋を後にし、二、三歩歩いてふと立ち止まる。
ちらりと振り返って、あの日のことを…楓が目を覚ました日のことを少し、思い出した。
―――
――
―…
『どうぞ』
楓が目を覚ましたらしいことが分かってからしばらく後。
ドクターが出てきて俺達に言った。
―ぐゎらっ!
「楓!!」
一番に飛び込んだのは花梨で、そのときすでに涙目。
興奮しているせいか、顔も少し赤かった。
『うっ…うっ…!』
楓の姿を見て、言葉も出ず号泣するメイリー。
俺も…。
「かっくん~っ…」
目を潤ませながら楓にしがみつく真裕と。
「鼻水つけんなよ」
そう言いながらも真裕の顔を拭くいつも通りの楓を見て。
…安心した。
あまりの安堵に、足の力が抜けてしまいそうだった。
「うえっ…えっ…ああ~んっ!」
泣きじゃくる真裕の頭を、困ったような…すまなそうな表情で撫で続ける楓。
ああ…これを待ってたんだ、俺は。俺達は。
そして……真裕は。