秘密のMelo♪y⑥*イギリス編*

そういえばかっくんにも言っていないことを思い出すと、なんとなく言いづらかった。


この人が一番…あたしの音楽を愛してくれて。

一番、あたしの音楽を理解してくれてた。


そう思うとまた、きゅっと胸が痛かった。


「うん…まあ、そういうことだから」


『ええー……残念』


『ま、仕方ないわね…』


『カエデのせいってことで』


「あ?」


『孕ませたアンタが悪い!』


『聞こえの悪い言い方をすんじゃねぇよΣ』


言い合う二人を見ながら思った。


今夜にでも…言おう。

一番の理解者だからこそ。

一番愛してくれた人だからこそ。

一番、分かってほしい。

「大丈夫だ」って、言ってほしい。


そう思ったから。



『じゃあ予定が決まったらまた言うわね』


『おやすみ』


『あんまりイチャイチャし過ぎないようにね❤』


ばいばーいと手を振って三人は順に出て行った。



…………ん?

なに、今おやすみって…誰か仰いませんでした?



< 98 / 279 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop