秘密のMelo♪y⑥*イギリス編*
そういえばかっくんにも言っていないことを思い出すと、なんとなく言いづらかった。
この人が一番…あたしの音楽を愛してくれて。
一番、あたしの音楽を理解してくれてた。
そう思うとまた、きゅっと胸が痛かった。
「うん…まあ、そういうことだから」
『ええー……残念』
『ま、仕方ないわね…』
『カエデのせいってことで』
「あ?」
『孕ませたアンタが悪い!』
『聞こえの悪い言い方をすんじゃねぇよΣ』
言い合う二人を見ながら思った。
今夜にでも…言おう。
一番の理解者だからこそ。
一番愛してくれた人だからこそ。
一番、分かってほしい。
「大丈夫だ」って、言ってほしい。
そう思ったから。
『じゃあ予定が決まったらまた言うわね』
『おやすみ』
『あんまりイチャイチャし過ぎないようにね❤』
ばいばーいと手を振って三人は順に出て行った。
…………ん?
なに、今おやすみって…誰か仰いませんでした?