堕ちても君と
「何の用だ」
入って早々かけられた言葉は、私の恐怖を更に煽った。
冷たい声に、顔を上げることが出来ない。
「天界からやって来た者を捕獲しましたので、ご報告に」
悪魔で冷静な声色。
でも、分かる。
その中に恐怖が混じっている事が。
「正気か?」
アレン、の話し方が呆れた様な小馬鹿にしたような言い方に変わった。
天界に悪魔が迷い込んだ事が無いように、私が魔界に来てしまったのはきっとイレギュラーな事なんだわ…。