堕ちても君と
「ご覧になれば真偽が分かりますよ」







そう言って悪魔は私の前から退き、立ち位置的にアレンと向かい合う形になった。







それでも、アレンという悪魔からは随分離れた所に立っているのだけど。






「…本当、なのか」







カツ、と足音が響き始め、それが徐々に私の方へ近づいてくる。







それに比例して、私は落ち着きを取り戻していった。






私は、私が焦がれていた闇の世界へ誘われたのだから。






それを拒む理由がどこにあるだろうか。
< 17 / 37 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop