堕ちても君と
アレンの退室は諦め、仕方なく彼に背を向け着替え始める。






黒い衣服は自然と肌に馴染み、心地よかった。






私の体に訪れる、まるで本来の姿を取り戻したような不思議な感覚。







時間がかかったものの何とか着替え終えベッドから起き上がると、アレンに声をかけられた。






「名前は何というのだ」





「え?…ミルクル。」






答えながらふらつく足でアレンの元へ近寄ろうとするが、すぐへたり込んでしまった。






(やっぱり、聖力が足りない)





思い通りに動かない体に苛立つ。
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