堕ちても君と
「立てるか?」






その声で顔を上げれば、私に手を伸ばすアレンと目が合う。






(…異世界の、それも高等な身分の方なのに…)






一見冷たいように見えるが実は優しいこの悪魔と、触れ合うことに喜びを感じる私は、きっと。





(…狂ってる。でも、)






この手を拒む理由なんてどこにもない。







「有り難うございます」





アレンに体をもたげてもらい、ゆっくり深呼吸をする。






流石にこのままでは、体が保たない。






聖気を補充しなきゃ…
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