堕ちても君と
それでも歩くにつれ体は軽くなり、安堵する。






(体が馴れてきたのかしら?)






おもむろに自分の羽に手を伸ばし触ってみるが、やはり元気がない。






(飛んで天界に戻れると思っていたのに…このままじゃ…)






本当に、帰れなくなる。






前世と言おうか、人間として生きていた頃の記憶は今はない。






だけど漠然と残っている感覚。






(もう、人間界には戻りたくない)







輪廻のサイクルに戻りたくない。
ただそれだけの理由で私は天使として生き延びようとする。
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