堕ちても君と
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「…ん…?」
瞳を開けると、そこは異世界だった。
常に明るい天界とは相反する黒い空。
おかしいわ。
まるで…ここは…
ゆっくりと体を起こすと、目に映ったのは深緑とは言い難いほぼ黒色の葉が生い茂った林。
途端、激しい孤独感が私の心を支配する。
天界に来てからは強がっていた私。
天使として生きる事を躊躇いもなく受け入れた私。
容姿が優れていたために虐めを受けても、涙を見せなかった私。
その強さの全てが崩れ、胸が張り裂けそうになる。