【短編】それでも秘密☆
あたしに向けるあの笑顔とか…

冷たくすると寂しい目をする顔とか…

“ユカリ!”って呼ぶちょっぴり高い声とか…





失うかもしれない…。





「写真持ってるんだぁ~!」


そう言いながら近寄ってきた女の手には、特攻服をきたあたしの写真。


「…オメーら…どうしてぇのか…結局わかんねーよ。」


「ヤンキーユカリの登場だぁー!」

「所詮、隠すなんて無理なんだよ。」


そんなこと聞きたいんじゃない。


「答えになってねーよっ!!」


ガッ!!


壁を握り拳で殴る。


人には…もう手を挙げない。



「だっだから…!リョウくんに近寄らないで!元ヤンなんてリョウくんには似合わないんだから!」


動揺がちに話す女。


「…分かったよ。…リョウには…近寄らない。」
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