【短編】それでも秘密☆
ダメ…


リョウの隣りはあたしじゃない…。



「…リョウ。幸せになれよ。」


「ありがとね、ユカリ。」



リョウはとびっきりの作り笑いをすると、屋上を出て行った。




あたしって…なんてバカなんだろ…。



こんなに…

こんなにリョウが好きなのに。



今だって、追いかけたいってあたしの背中が言ってるのに。



「バカヤロー!!」



あたしは、自分に向かって叫んだ。


それと一緒に、あたしの目からは滝のような涙が溢れた。



「リョウ…!!」



聞こえるはずもないのに…。

リョウの名前を言わずにはいれなかった。



< 29 / 57 >

この作品をシェア

pagetop