【短編】それでも秘密☆
サクラの葬式で、あたしは涙を出さなかった。

泣いてしまったら、サクラがいないことが現実になってしまう気がした。


夢なら早く冷めてほしい…。


追悼の流しがあった。


「ユカリ…あんたにサクラの特攻服、着てほしいんだ。」


先輩に渡された、サクラの特攻服。


着た瞬間、何かがプツッと切れ、止めどなく涙が溢れた。





それを最後に、あたしはバイクを降り、普通の女の子になる決心をしたんだ。





サクラの為にバイクを降りた。

サクラの為に煙草をやめた。

サクラの為にシンナーをやめた。

サクラの為に喧嘩をしない。





自分の為に…普通な女の子に…。



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