もう一度

…そう、これでいいの。


私は、目にかかる長い前髪、
顔を隠してしまうほどの
大きな眼鏡、
2つに束ねられた髪に
校則通りにきちんと着こなされた制服だから…



誰も見向きもしない…



それでいい…



私は静かに席についた。


前の席は女の子だった。

セミロングのふわふわの
パーマがかかった
わたあめのような子。



隣の席は男の子。


ずっとうつ伏せ状態。



まっ、いっか…



外は桜が見えた。



桜の花びらがヒラヒラと落ちている。


天気がいい春だった。
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