杭を抜きに来た。
クイヲヌキニキタ
俺は、今年で24になった。
仕事は色々なバイトを転々としている。

特に趣味もない、もちろん彼女もいない。

毎日がただ生きているだけだった。

こんなはずじゃなかったのになぁ〜

まぁいいか、生きているよりましかぁ〜

だんだん薬が効いてきた。
30錠は飲んだからなぁ〜

だんだん遠くなる意識の中で、なぜか高校時代の事を思い出していた。

「ハハッ!太一のやつまた先生に怒られてやんの(笑)」 

親友の《佐藤 太一》(さとうたいち)の事が頭に浮かんだ。

「あれ?!君は?」

サラサラストレートの黒髪、腰くらいまであった。

左の前髪には赤いヘアピンをしていた。

「真樹………なのか?」

真樹は俺が初めて好きになった女子だ。

「待ってくれ真樹!」

俺の声も届かず消えてしまった。

俺の意識も完全にうしなわれた。

死ぬってけっこうかんたんな物だな。

そうして俺は死んだ………………………………………
< 1 / 6 >

この作品をシェア

pagetop