逆転リバース
「……とは言ったものの」
暇になってしまった。
芸能界に入る前は何をしてたのかなんて全く分からない。
「まずいな、自分が何をしたいのか分からなくなってる」
「すみませんー、今アンケートを取ってるんですがー」
「え、はい……」
何かの紙を渡された。
内容は、恋愛と化粧についてだった。
恋愛は椿が初めてだし、化粧は仕事で軽くしてくれる程度。
「あなたに彼氏は……はい。化粧品を貰ったことは……ない……」
「ありがとうございました。彼とは何年になりますか?」
「……あー、あの夫なんだけど」
「えっ……、大丈夫です。何年ですか?」
「4年くらいかな?」
「カッコイイですか?」
「そんなこと聞くの? 素敵な人ですよ」
「表情で愛してることが分かりました。これは粗品ですが……」
うっ……、化粧品は止めてほしかった。
美加にあげようかな、と思いつつ笑顔で返した。
ああ、二度とアンケートなんてやるもんか!!