逆転リバース
「結城」
急に声がして振り返ると、椿が荷物を持っていた。
「持つ?」
「いや大丈夫だ。でも、ルーが寝てるからな」
「分かった。だだっ子にならなかった?」
「いや、でも変に注目浴びたな。やっぱり若いからか」
「……まあ、驚かれるね」
「家で食おうぜ。結城の手料理食いたいし」
そう言われて嫌な人はいないでしょ?
椿の車で帰って、二人で食事をしてからノンビリとしてた。
「……結城、ちょっと来い」
「う、うん……?」
椿の近くに寄ると、腕を引っ張られて椿の太ももに座った。
「前向いてろ」
「うん」
「目閉じろ」
ゆっくりと目を閉じると、首に冷たい感触が当たる。
首をグキッと動かされた。
痛いって言う前に、唇を塞がれた。
いつもは軽いキスなのに、舌を絡ませるような深いキスだった。
行くあてのない手を握りしめてくれた。
好きな人とのキスは、これ以上ないほど幸せだった。
あなたから貰ったネックレス、ずっとずっと大事にするね。