逆転リバース

疑うのは嫌だ。疑われるのも嫌だ。
どうしたら良いかなんて、幼い私には分からないことばかり。


「あれ、また弟くん連れてきたの?」

「はい……」


本当にたまに仕事場にも連れてくる。
椿も仕事だし、お母さんも忙しい時は連れてくる。


「良い子よねー、可愛い」

「あー!」


ルーくんは本当に良い子。
変装してる時は、お母さんと呼ばない。

ルーくんに苦労をかけちゃうな……。


「結城くん、良いパパになるね」

「あ……は、は」


苦笑いを浮かべるしか無かった。

ママなんだよぉ!!


「おはよう」

「あ……、俊介」

「誰だ? それ」

「あ、俺の弟。琉架って言うんだ。母さんが仕事で誰も面倒見れないからって」

「ふーん。そっくりだな」


そりゃあ、私の息子ですもん。そっくりですよ。

俊介は、ルーくんを抱える。
ルーくんも喜んでるところを見ると、子供に慣れてるみたいだ。

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