逆転リバース
「……!」
始まると空気が一気に変わった。
俊介が私の腕を強く掴み、押し倒した。
「俺は……おまえが好きだ」
「……っ」
本当の告白みたいに、真っ直ぐと見つめられ目を背けれない。
こっちのセリフを言う前に、ガッとキスをされた。
優しそうな顔に似合わずの、肉食のような奪い方に頭が真っ白になった。
「カット! 早いよ」
「すみませんー、間違えました」
反省の色がなくて、笑っていた。
こっちを見てウインクをした……けど、へたっぴで両目を閉じていた。
耳元に俊介の口が近付いた。
「わざとNG出したんだ」
理由が分からない私は、ただ呆然と俊介を見てるだけだった。