逆転リバース
「いい加減にしろよ! なんで、同じところで失敗するんだよ」
いい加減にキレてきたため怒鳴ると、俊介は撮影を止めると、私の腕を掴んで歩き出した。
「え、おい!」
一瞬だけ素が出そうになったが、なんとか持ち直した。
人気がない所に連れていかれると、壁に押し付けられた。
「なっ……、いたっ……」
「理由を聞きたいんだっけ?」
「……?」
「俺は、きみが女の子だって知ってる」
ドクンと心臓が高鳴る。
なんで気付かれた? それに、理由?
「……」
「あれ、否定しないんだ」
「……わざわざ指名するくらいなんだからね」
「ふーん、それが君の素か……」
キャラを保ってる余裕はない。
私を女だと気付いて、俊介はNGを出してたんだ。