逆転リバース
キスシーンも終わり、ルーくんと一緒に帰る。
今日はドッと疲れた。
「ああ。あいつだろ」
男の声が聞こえた。
立ち聞きも悪いな、と思い通り過ぎようとした。
「あまり顔は良くないだろ。どこにでもいるような奴だし、性格が悪いよ。結城って奴」
「!!」
ルーくんを強く抱きしめた。
泣きそうになった。同じ業界人に対する私のイメージがこんなにも悪いなんて思わなかった。
扉が開かれ、肩がビクッと揺れた。
出てきたのは俊介だった。
携帯電話を片手に持っていた。