逆転リバース
携帯電話の待ち受けを見れば、椿とルーくんが映っている。
「……もし、椿と別れたら、私どうしたら」
椿がルーくんを引き取ったら、私は独りだ……。
「やだよ……。一人になりたくない」
ギュッとルーくんを抱きしめて踞る。
地下駐車場のため、人が通る気配はない。
「……ルーくん、好き?」
「しゅき!」
「ありがとう」
ああ、もう嬉しいな。
でも、大きくなったらウザく思われるんだろうね。
着信音がして電話に出ずに切った。
確認すると、椿だった。
即座に再び電話が鳴り、切ろうと思ったけど、ルーくんが発信のボタンを押していた。