逆転リバース
公園に向かうと、他のママたちが来ていた。
「こんにちわ」
「あ、こんにちわー」
声をかけられて驚いたけど、輪に入れないと思ってたからホッとした。
「若いね。何歳?」
「18です」
「え? 若いねー。この子は?」
「2歳ですよー、ねぇルーくん」
「あい!」
ルーくんは手を上げた。
私に似なくて社交的になってくれて安心した。
「私は美加(みか)。最近、引越しでここに来たの。だからあんまり友達がいなくて……」
「私は、ゆ……。千花(ちか)。千花って呼んでね」
思わず芸名になるところだった。
仕事場にも関わるから、本名で呼ばれることが滅多に無いから戸惑う。
「美加さんは何歳なんですか?」
「呼び捨てで良いよ。20歳。娘も同じでね。晴香(はるか)」
晴香ちゃんは芸能界にいても良いほど、可愛いと思える。
ツインテールの髪がフワフワしてる。
女の子、私も欲しかったなーなんて。
「……千花ってさ、どっかで見たことがあるような」
「は、ははは……」
ジトーと見てくるため、私は苦笑いを浮かべながら目を反らす。
バレたらマズイ……。
いくら男装で気付かれにくくはなってるとは言え、薄化粧だから無茶しちゃいけないだろう。