逆転リバース

「日が出てきたね」

「うん、暑くなってきた」


少し暑くなってきて、チラホラと帰っていく姿が見える。


「私もそろそろ帰ろうかな」

「うん、私も」

「ハルー、帰るよ」

「うー!」


滑り台のてっぺんにいる二人は、降りたくないらしく、しがみついていた。


「困ったね」

「どうしようか?」


美加が困ったようにこっちを見てきた。
私も困ってしまったけど、いつ頃、椿が来るか分からないし……。


「お昼どうするの?」

「何も考えてない」

「私は一応、家に帰って食べるけど……」

「私は少し散歩してくるの。旦那も来るかもしれないし」

「そう? じゃあまた会おうね」


嫌がる晴香ちゃんを抱えると、手を振って帰っていく。
泣きそうに頬を膨らませるルーくん。

また会えるからね、って何とか機嫌を直してもらった。
友達、あまりいないもんね。

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