逆転リバース

『大体さ、ルーが産まれてからさ結城は俺に対しての愛情が軽薄になった』

「え、そうかな?」

『俺のこと愛してるの?』


顔が真っ赤になる。
ベビーカーを押しながら歩いてるけど、誰かが通るかとハラハラする。


「なっ、なに、言ってるのバカ」

『昔はさ、よく愛してるとか言ってたよな』


もしかして言わせたいの?
外にいるの分かってて言ってるの?
やっぱり、ドSだ……。


「あ……」


ルーくんもいて、外でそんな恥ずかしいこと……。
でも、言わないと機嫌を悪くするし……。


「愛してる……よ」

『聞こえない』

「うう、意地悪!」

『出るじゃん、声』

「……愛してるよ!」

『……俺も愛してる』


照れたような言葉が返ってきた。
さらに私は恥ずかしくなった。


「?」

「な、何でもないからね。ルーくん」


上目遣いにこちらを見ないでー!
恥ずかしくて穴に隠りたいから!!

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