とりあえず王道に現実主義者を混ぜてみよう
あれから数日。
私は体操服に着替えて由宇と第一グラウンドに向かう。
次が体育の授業だから。
それにしても、頭が痛む。
別に風邪でもないし偏頭痛とかしたことがない。
私が痛む頭を手で押さえながら歩いていると
「もうなんかお疲れ様(笑)」
由宇がそう言ってきた。
「顔がにやけておりますが、由宇さん」
「人の不幸は蜜の味、ってね。あたしの人生のモットーなの」
「サイテー」
なんつーモットーよ。
私が恨みをこめてギロリと睨むと
「ウソウソ、ゴメンゴメン、はい」
と笑いながら私に風邪薬を渡してきた。
「………」
いや、だから風邪じゃないし
水もないし、どうやって飲めと?
「ん?どしたの、晴菜」
「…いや、ありがとう」
とりあえず受け取ることにした。