とりあえず王道に現実主義者を混ぜてみよう
社会不適合者は社会から追放されてしまえ
本当に一刻も早くあの場から去りたかったから
競歩なみの早歩きで教室に戻って着替えた。
「ちょ、早い早い早いよ晴菜」
「社会不適合者に近づきたくないのよ」
意気消沈したお嬢様達が戻ってくるときにはもう着替え終わってた。
ていうか
お嬢様達の周りの空気がどんよりしてるわ。
「なにがあったの(笑)。マジ気になるわ」
「予想は出来るけどね」
「パネェっす晴菜さん」
どうせ、水木さんを庇ってお嬢様達を貶しまくったんでしょう。
いや、あの場合はお嬢様達が悪いけどね。
綺麗なお顔が歪んでるわよ。お嬢様なら眉間にシワ寄せるなよ。
「あ、晴菜晴菜。次、お昼ご飯だよ!」
「はいはい」
弁当を取ってくるー!と駆け出した由宇。
由宇の席は廊下側だから、私の席から少し離れてる。
お昼ご飯はいつも私の席で食べるんだけど
―――ガラッ
「……おい」
カラリと戸を開けて入ってきたのは、目つきの悪い美形。
美形死ね……間違えた。来るなし。
その美形は、確か社会不適合者。
水木さんを連れてきたかと思うと、ちょうど弁当を取り出していた由宇に目を付け
「愛莉を虐めたのは、お前か?」
「は?いっ、――!」
由宇の腕をひねりあげた。
私はガタンと音を立てて席から立つ。