記憶 ―流星の刻印―
「…はいはい。えぇ…まず石碑の内容から説明しましょうか。表と裏、2面に分かれて書かれた内容が…」
朱理は少しふてくされた様に溜め息を漏らすと、独特の理屈っぽい口調で説明し始めた。
我らは流星となりて
降り立った星屑
生まれし意味を問え
我らは罪人
この与えられし過酷な地にて
罪を償おう
さすれば
いつの日か
遥かなる楽園へ辿り着く
我ら星屑
導かれる日に想いを馳せる
「…これが表面の文章。昔から在ったのですが、環境の過酷な氷上で、人々を苦しみから励ます為に古人が造ったと予測されてました。」
……ドクン、
そう心臓がざわついた。
古人…?
氷上の地に住んでいた、大昔の誰かって事なの…?
「……でも、この国の言語じゃないんでしょう…?」
「――えぇ。進化の過程で失われていった言語で、昔は使われていたのではないか…という仮説と。四獣を宿す者だけが読み解けるという観点から、玄武を宿す古人が造ったのではないか…などという仮説も…。」
「……分からないのね?」
「古代の石碑ですから。」
我らは流星となりて、
降り立った星屑…?
あの…
四彩華の創世記に似ていた。